リハビリテーション科

基本理念/方針

基本理念

私たちは、地域の皆さんの健康を支えるため、最適なリハビリテーション技術を提供します。

基本方針
  1. 私たちは、患者さんの権利と意思を尊重し、地域の皆さんに信頼されるリハビリテーションを行います。
  2. 私たちは、高度で良質、安全なリハビリテーションを提供します。

    • 医学、医療の進歩に適応した高度かつ良質なリハビリテーションの提供
    • 難病、小児等特殊な分野へのリハビリテーションの提供
    • QOL(生活の質)に立ったリハビリテーションの推進
    • 急性期患者への適切なリハビリテーションの提供
    • 終末期患者等の分野へのリハビリテーションの提供

  3. 私たちは、中核病院のリハビリテーションの提供者として、地域の医療機関及び関係機関と密接に連携します。
  4. 私たちは、教育・研修機能を高め、医療水準の向上と人間性豊かなセラピストの育成に努めます。

 

当院は飯田下伊那地域の急性期基幹病院であり、地域医療支援病院という位置づけであり、365日救急患者を受け入れる施設です。早期からのリハビリテーションを提供する体制を整え、日々研鑽を重ね、地域の中で必要とされるリハビリテーション医療を提供する体制を整備し、脳血管疾患、整形外科疾患、心大血管疾患、呼吸器疾患はもとより、がん、緩和ケアにおけるリハビリテーション、難病疾患や慢性疾患の急性増悪、小児の急性期疾患、近年増加する高齢者における多疾患併存(Multimorbidity)に対してのリハビリテーション提供を多職種と協働して実施します。また、地域のニーズに応え小児の発達障害に対する支援、スポーツ障害に対しての医療提供を実践しています。

地域の皆様の健康を支えることは基より、日々の生活に一番大切な「笑顔」を大切にしたいと考え私たちに託された使命を全うできるよう日々研鑽しています。急性期の救命から、回復段階を支え、地域でのその人らしい生活を送る為のリハビリテーション提供を大切に考えています。

患者さんへお伝えしたいこと

診療技術部リハビリテーション科では、それぞれの診療科の医師の診察を受けたうえで、必要とされる医師の処方を元に医学的リハビリテーションを提供しています。患者さんと共に目標を設定し目標に向けて取り組みます。

  • 小児作業療法室
  • リハビリ庭園
  • 4階西病棟リハビリテーション室

業務の内容

診療技術部リハビリテーション科は、1階リハビリテーション室に、理学療法士(PT25名、作業療法士(OT13名、言語聴覚士(ST7名、公認心理師3名、リハ助手3名が在籍、訪問看護ステーションに理学療法士(PT3名、作業療法士(OT1名、言語聴覚士1名(兼務)が在籍し医学的リハビリテーションを提供しています。

また、外来部門として歯科口腔外科に歯科衛生士6名、眼科に視能訓練士5名が所属しそれぞれ専門的な医療を提供しています。

外来では小児科患者さんが約半数を占めています。理学療法では発達に遅れの心配があるこどもさんや肢体不自由等の障害をお持ちの方が主な対象であり、作業療法・言語聴覚療法では神経発達症などのこどもさんが主な対象となります。その他外来では、理学療法は整形外科術後の患者さんが多く、作業療法では手や腕の怪我の方などが多くいらっしゃいます。言語聴覚療法では高齢者の嚥下障害、コミュニケーション障害の方などがいらっしゃいます。

入院では脳血管疾患、整形外科疾患、呼吸器疾患、心大血管疾患、がん疾患などリハビリを必要とするすべての疾患に対してリハビリテーションを行っています。

理学療法は、入院早期より医師の処方をもとに評価より実施し多職種カンファレンスにて必要性と方向性を確認し、計画を基に急性期に必要とされるリハビリテーションを提供します。入院に関連した機能低下を予防し、その人らしく自立した活動が継続できるよう入院生活を支援します。特定の疾患については周術期(手術前後)よりクリニカルパスを基に標準化された治療を実施します。術後の合併症を予防し苦痛なく安心して術後回復ができるリハビリテーション支援を実施します。施設基準に必要な呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士等の認定資格を積極的に取得し、よりよい医療が提供できるよう研鑽しています。

理学療法

作業療法は、脳血管疾患、整形外科疾患、高齢者のフレイル等、疾患や入院環境による機能低下を最小限にとどめ、日常生活動作の自立を目指す支援をします。その他、整形外科・形成外科から「手の怪我」に対する作業療法の指示が多く出されます。

作業療法

言語聴覚療法は、対象として脳血管神経疾患や高齢者の嚥下障害患者が多く、言語障害(失語症、構音障害など)や嚥下障害に対し治療を行います。嚥下障害の評価では、医師の指示の元にVE(嚥下内視鏡検査)やVF(嚥下撮影検査)を実施し、安全性を確認しながら実施しています。

言語療法

公認心理士は、入院では患者本人や家族の緩和ケア(心のケア)、外来では発達に不安を持つ親子の支援などを行っています。

視能訓練士は眼科外来にて眼科検査のほか、斜視・弱視・ロービジョンの児・者に対して訓練を行っています。

歯科衛生士は歯科口腔外科外来で診療の介助のほか、病棟において入院患者さんのより専門的な口腔衛生におけるケアの提供を実施しています。また、緩和ケアや呼吸ケアでのチーム活動も行っています。

箱庭療法

訪問部門では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、退院直後の患者さんがご自宅での生活に不安が無いよう、在宅での支援を行っています。また他院から紹介のあった患者さんの生活自立支援を目的に在宅リハビリテーションを提供しています。

教育体制

当院では新入職員全職種参加の「新入職員合同研修」があります。新入職員は一年を通して他職種とともに共通言語で学び共通認識をもち、医療チームの一員として成長します。

リハビリテーション科では新入職員が安心して業務を遂行でき、業務全般を身に着け自立した専門職として活躍できるよう入職後半年間プリセプター制度を導入しています。新入職員一人一人にプリセプターが付きます。新入職員の皆さんが職員として職場に慣れ、当院の職員として社会人の一人として成長する支援をさせて頂きます。プリセプターは週一回の面接を通して悩みや不安などを聞き、共に解決に向けて伴走をします。

専門職としての基本業務は、リハビリテーション科マニュアルを基に業務の内容や規則等を研修し身に着けます。臨床実践については一年のうち一定期間を科内各チームで其々経験します。職種ごとに新人教育プログラムを作成し、臨床場面ではOJT(On-the-Job Training)を通して医療専門職としての技術を身に着けていきます。屋根瓦式の教育体制をとり、チーム全員が指導役となりStep方式で確実な技術習得を目指します。

Off-JTでは症例検討等を通して疾患や個別性について学びを深めます。他に新人教育の一環として飯田市関連の「介護老人保健施設」「訪問看護ステーション」「こども発達センター」の見学実習を通して地域の中の役割や使命を知る機会としています。

新人としての教育が終了した後は、各種認定資格の取得や、高度な専門性を備える人材に成長できるよう研修機会の提供等、様々な支援を行っています。

各種認定資格等

令和6年4月1日現在

資格 人数
心臓リハビリテーション指導士 4名
3学会合同呼吸療法認定士 13名
集中治療理学療法士 1名
認定理学療法士(脳卒中) 1名
認定理学療法士(運動器) 1名
認定理学療法士(呼吸) 2名
理学療法士協会指定管理者 1名
日本褥瘡学会認定褥瘡理学療法士 1名
在宅褥瘡予防管理師 1名
認定ハンドセラピスト 1名
地域糖尿病療養指導士 1名
DMAT隊員 2名
FCCSプロバイダ- 2名
ICLSプロバイダ- 3名
住環境コーディネーター2級 8名
介護支援専門員 2名
保育士 2名
修士課程終了 1名
がんのリハビリテーション研修 40名
臨床心理士 3名

入院患者実施件数(令和5年度)

理学療法 3,098件
作業療法 1,727件
言語聴覚療法 1,038件

理学療法 実施人数割合(令和5年度)※入院のみ

作業療法 実施人数割合(令和5年度)※入院のみ

言語聴覚療法 実施人数割合(令和5年度)※入院のみ