放射線技術科
基本理念/方針
病院理念に則り、チーム医療の一員として地域の皆さんに信頼される質の高い医療を目指します。
- 地域の皆さんに高度で良質な画像情報や治療技術を提供します。
- 患者さんに安心で安全な医療を提供できるよう最善を尽くします。
- 日々進歩する医療に対応すべく専門知識や技術の習得に努めます。
- 医療機器の効率的な運用と検査の待ち時間の短縮を図り健全な運営に努めます。
- 当院の保有する機器を有効活用すべく地域の医療機関と密接に連携します。
患者さんへお伝えしたいこと
検査等における注意事項や事前の準備はそれぞれ異なりますので、詳しくは予約時の案内資料をご覧ください。また、ご不明な点や不安な点は遠慮なくお近くのスタッフにお声かけください。
ペースメーカーが入っている方、妊娠している可能性のある方、授乳中の方などは特に注意を要する検査がありますので、担当医にお伝えください。
業務の内容
当科はCT、MRI、超音波などによる診療画像検査部門と高エネルギー放射線を使用した放射線治療部門で構成され、診療放射線技師は25名(うち女性技師5名)で受付事務3名と看護師4名他で業務が行われています。それぞれ認定技師(CT撮影認定、マンモグラフィ撮影認定、超音波検査技士他)専門技師、医学物理士(放射線治療)によって良質な検査、高精度の治療が医師、看護師と連携して実施されています。マンモグラフィ、超音波については認定を取得した女性技師が検査をしますので乳腺の検査を安心して受けていただくことができます。毎日の装置精度管理により技術、装置、設備について施設評価認定を取得しています。
地域医療支援病院・地域がん診療連携拠点病院として当院の保有する機器を有効活用すべく、PET-CT、RI、CT、MRI等の各種モダリティーの委託検査を、地域医療連携係を通して広く受け入れています。
最新機器の導入と職員の向上心により、高性能、低被ばく、検査時間短縮を考えた安心、安全、快適を提供する努力を継続しています。超音波検査は、腹部、乳腺、体表、頸動脈など血管系を業務として、微細な変化を見逃すことなく病気の早期発見に努めています。
高精度放射線治療を行えるリニアック装置と、小線源治療装置を放射線治療センターに設置しています。リニアックは前立腺、頭頸部、肺などのIMRTを行っています。定位照射(脳、肺など)は2023年秋に開始しました。
画像診断部門
画像診断部門では、エックス線、ガンマ線、磁気、超音波などを用いて様々な検査・診療用画像の提供を行っています。PET-CTは長野県南部において最初の導入施設であり、実績があります。地域医療連携係を通して広く検査を受け入れています。
RIS(放射線情報システム)・電子カルテシステム・PACS(医療用画像管理システム)が相互に連携することにより確実で迅速な画像の提供を行います。すべての保有機器が画像のデジタル化とフィルムレスに対応しています。
主な医療機器
- 一般エックス線撮影装置
主に胸部や腹部、骨などの撮影をします。 - 特殊エックス線撮影装置
乳房撮影、デンタル撮影、パントモ撮影などがあります。 - 骨密度測定装置
エックス線を利用して、骨の密度を測定します。 - CT撮影装置
256列と64列のCT装置が稼動しています。
エックス線を体の周りから照射して、コンピューター処理により断層画像を撮影する検査です。短時間で全身を検査可能です。3D画像作成や心臓血管の検査も行っています。 - MRI撮影装置
1.5テスラと3テスラの装置が2台稼働しています。
磁力と電波を使い体内の状態を断面像として描出する検査です。全身どこでも撮影できますが、特に脳・脊髄・関節・婦人科・前立腺領域の検査は非常に有用な情報を得ることができます。またMRIは造影剤を使用しなくても血管を描出でき、さらに水だけを描出することが可能なため胆管・胆嚢・膵管を描出することも可能です。 - 血管造影撮影装置
心臓を中心に検査・治療する撮影室と全身に対応する撮影室の2室があります。
血管造影とは、カテーテルという細いチューブを使用して体内の血管の様子(狭窄・拡張・塞栓・出血・腫瘍を栄養する血管等)を撮影する検査です。必要に応じて血管内の治療も行われます。 - PET-CT装置
PET-CTはがん細胞が正常細胞に比べ多量のぶどう糖を必要とする性質を利用してがんを発見します。1回の検査でほぼ全身を調べることができます。 - ガンマカメラ装置
微量の放射線を出す放射性同位元素 (RI)を含んだ薬を注射して、その薬から発する放射線を体外から撮影し、薬の分布状況を画像にして調べる検査です。
主に脳の血流状態を調べる脳血流シンチ、心臓の筋肉の状態を調べる心筋シンチ、全身の骨の異常を調べる骨シンチ等を行っています。 - エックス線テレビ装置
エックス線透視画像を観察しながら撮影や治療を行う装置です。主に胃のバリウム検査や注腸(腸のバリウム検査)、内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査や胆道閉塞性病変の治療に利用されています。その他様々な造影検査や治療などを行っています。 - 超音波検査装置
超音波検査(エコー検査)は、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波を使い体の中を画像化し、病気の有無や状態などを調べる検査です。この検査で調べられる臓器は多岐におよび、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、前立腺、消化管などのお腹の臓器から、血管、乳腺、甲状腺などの体表の臓器にも利用されます。放射線被曝の問題はありません。
放射線治療部門
放射線治療部門では、リニアック(X線、電子線)を用いた体外照射、高線量率密封小線源治療装置(RALS)を用いて体の中から放射線を当てる治療(腔内照射)を行なっています。がんを切らずに治す根治目的の治療、手術前の補助的治療、疼痛緩和治療など幅広く行なっています。
主な医療機器
- リニアック(直線加速器)
高エネルギーの放射線を体外から照射して治療を行う機器です。マルチリーフコリメータにより病巣の形状にあわせた治療が可能です。
2018年よりVarian社製TrueBeamを使用し、2023年にバージョンアップを行いました。IMRTや高精度放射線治療に対応しています。 - IGRT(画像誘導放射線治療)とは
IGRTとは、治療直前にX線写真やCTを撮影し、がんや周辺機器の位置を確認して照射位置の微調整を行う治療です。 - 定位照射とは
脳や体幹部(肺、肝臓等)の比較的小さい病巣に多方向から集中して照射する方法です。短期間に高線量の放射線を照射することで通常の照射よりも高い効果が期待できます。 - 強度変調放射線治療(IMRT)とは
コンピュータの複雑な計算によって、病巣周囲の清浄組織への線量をできるだけ抑えながら、病巣の形状に合わせて照射する方法です。正常組織への線量を減らすことができるため、副作用を少なくすることができます。当院では、主に前立腺や頭頸部に対して行っております。 - 治療計画用CT
放射線治療を始める前に照射する位置を正確に把握するための撮影装置です。 - 治療計画装置
主に放射線治療医が患者さんの病状ごとに治療の計画を立てる装置です。治療計画用CTの画像を用いて照射する線量を計算します。 - 高線量率密封小線源治療装置(RALS)
密封小線源をアプリケータという管を使用して、体腔内に入れ、体の中から放射線(γ線)を照射して治療する機器です。当院では子宮頸がんが主な治療対象です。CT画像を基にした三次元的画像誘導小線源治療(IGBT)を行っています。
放射線技術科ニュース【らじは】
資格等
- 第1種放射線取扱主任者 4名
- 放射線治療専門技師 2名
- 超音波検査士(体表臓器、消化器領域など) 5名
- 放射線機器管理士 1名
- 放射線管理士 1名
- 検診マンモグラフィ撮影認定放射線技師 5名
- PET認定技師 4名
- X線CT認定技師 1名
- 肺がんCT検診認定技師 2名
- Ai(死亡時画像診断)認定診療放射線技師 1名
- 実習施設指導者 3名
- 長野県DMAT養成研修 2名
- 医学物理士 1名
- 医療情報技師 1名
- 磁気共鳴専門技術者 1名