放射線治療科

放射線治療科のご案内

特色・対象疾患・診療実績

当院は飯田下伊那地域唯一の放射線治療施設として1992年以来治療を行ってきました。治療装置も進化しており3代目となる現在のリニアックに更新後はほぼ全例の照射をIGRT(画像誘導放射線治療)で行っております。IGRTは患者さんが治療台に乗ってからX線撮影またはCT撮影を行い照射部位の確認と位置補正を行うものです。これにより、病巣への正確な照射と周辺正常組織の照射量低減が可能となりました。更に、より集中性を高めたIMRT(強度変調放射線治療)を2019年2月より前立腺がんに対して開始し、頭頸部から肺、骨盤領域にも応用を広げています。
また、2023年に治療装置の改良を行い、定位放射線治療を開始しました。脳転移などの脳腫瘍や肺腫瘍、肝腫瘍、椎骨等に施行しています。部位や個数、腫瘍径の制約がありますのでお問い合わせ頂ければと思います。
密封小線源治療装置は2019年3月に更新され、線源がコバルトからイリジウムになりました。腔内挿入する用具は小型となり患者さんへの負担は軽くなっています。治療計画も従来のA点線量法からCT画像を用いるIGBT(画像誘導小線源治療)になり、より適切な線量分布が得られるようになりました。更に、2024年より組織内照射併用腔内照射を開始し、より最適化した治療が可能となりました。
 

年度あたりの治療患者数(新患)の推移

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

新規患者数(新患)

277

274

306

295

294

治療患者数(新患+再患)

329

318

348

354

345

2024年度の疾患別患者数は、泌尿器科領域81名、乳癌62名、肺・縦隔40名、胃、小腸、大腸30名、頭頸部28名、婦人科領域22名、肝胆膵16名、白血病・リンパ腫・骨髄腫11名、食道8名、脳腫瘍0名、その他・原発不明7名でした。
照射目的は根治と症状緩和があり、症状緩和では骨転移の67名が最多です。また、骨転移に対しては近年1回(8Gy)照射を行っております。外来の患者さんも1日で照射完了となりますので治療選択肢に含めていただければ幸いです。
年齢別にみますと80代が78名、90歳以上も11名あり、最高齢は95歳でした。高齢化社会の状況を反映するとともに身体的負担が比較的少ない放射線治療の特色が出ていると思われます。
また、通常の放射線治療以外にラジオアイソトープを用いた放射性同位元素内用療法もあります。当院では、骨転移を伴う去勢抵抗性前立腺癌患者の生存期間延長を目的としたRa-223治療、甲状腺分化癌の甲状腺全摘後I-131アブレーション、バセドウ病に対するI-131治療を行っています。

担当医師のご紹介

  • 伊奈 廣信 イナ ヒロノブ
    役職
    放射線治療科部長
    卒業年
    平成22年
    専門領域
    放射線治療
    専門医等
    日本専門医機構認定放射線科専門医
    日本放射線腫瘍学会・日本医学放射線学会認定放射線治療専門医
    日本医学放射線学会認定研修指導者
    所属学会
    日本放射線腫瘍学会
    日本医学放射線学会
    日本癌治療学会
  • 武井 一喜 タケイ カズヨシ
    役職
    放射線治療科医師
    がん相談支援センター長
    卒業年
    昭和60年
    専門領域
    放射線治療
    専門医等
    日本専門医機構認定放射線科専門医
    日本放射線腫瘍学会・日本医学放射線学会認定放射線治療専門医
    日本医学放射線学会認定研修指導者
    所属学会
    日本放射線腫瘍学会
    日本医学放射線学会
    日本乳癌学会
    日本癌治療学会
    一言
    ひとりひとりの患者さんに適切な放射線治療の提供を心がけております。